猫のサンと引越し

私が一人暮らしを始めたばかりの頃、オスのスコティッシュ・フォールドを飼っていました。
本当はこの猫は、当時のボーイフレンドからのバレンタインデーのプレゼントで買ってもらった猫でした。

しかし、このスコティッシュ・フォールドを飼った頃には、二人の間には溝が出来ていました。
私は元ボーイフレンドとその頃、半同棲生活を送っていて、まるで子供のように子猫が来たのです。

生後2ヶ月で買って来たので、生後3ヶ月までは予防注射が済まないので、散歩はさせられませんでした。そこで、部屋でペーパートレーニングをして、トイレを教えました。

名前はサンと言いました。

サンはすぐにトイレを覚えて、そのトイレ以外ではトイレをすることがなくて、とても賢いというのがわかりました。

しかし、私とボーイフレンドの間は最早、修復不可能な関係になっていて、私は黙って引っ越すことにしました。そして、サンだけは一緒に連れて行こうと思いました。

横浜でペット輸送をしているところで、一番丁寧そうな猫の輸送業者さんにお願いして、新居に引っ越しました。

大きなワンボックスカーなので何とか乗ってくれましたが、ケージなどに入れて輸送するトラックなら大騒ぎだったと思います。

最初の頃、サンは何が起こったのかわからなくて、怯えていました。
しかし、そのうちに新しい部屋にも慣れて、私しかいないことにもなれていってくれました。
私にはボーイフレンドよりもサンのほうが大切でした。